日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成24年度日本調理科学会大会
セッションID: 1P-2
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ポスター発表
北海道の儀礼食
-喫食・調理状況-
*山口 敦子
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キーワード: 北海道, 儀礼食, 喫食, 調理
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抄録
【目的】日本人に古くから受け継がれてきた食事が、核家族化や生活スタイルの変化に伴い、家庭で作られる機会が減少してきている。人生の節目となる通過儀礼としての食事の認知・経験は年代や家族構成により異なることが明らかにされた1)。本研究は北海道の儀礼食について喫食経験者の調理状況および食べ方についての実態を把握し、さらに年代別の喫食状況を明らかにすることを目的とした。
【方法】日本調理科学会特別研究(平成21~23年度)に基づき調査を行った。調査期間は平成21年12月から22年8月。対象者は北海道に居住する学生、保護者、祖父母、一般の624名。
【結果】儀礼食の調理状況等について、有効回答者619名について集計した。喫食経験の年代別では50・60歳代が最も多く、A出産祝い43%、Bお七夜53.7%、C百日祝い43.9%、D初誕生38.8%、E誕生日37.7%、F成人式41.9%、G結納45.1%、H婚礼37.8%、I厄払い39.6%、J長寿47.1%、K葬儀34.4%、30・40歳代は、L法事が32.6%で最多。10・20歳代では唯一、M七五三が34.7%と高値を示した。喫食経験のある食事内容はA~F、J、Mは赤飯や小豆飯であり、G、H、Lは和洋折衷料理、Iは餅であった。儀礼食の調理状況・食べ方ではA~F、Mは「家庭で作る」が最も多く、次に「実家・親戚で食べる」であった。また、G、H、Lは「外で食べる」が最も多かった。以上の結果から、儀礼食は人生の節目に食べられており、誕生等は家庭内で食する傾向が高く、婚礼や葬儀等家族以外の人々が集う儀礼では、家庭外で食する傾向が高い特徴が見られた。また家庭内では赤飯や小豆飯が作られ、家庭外では様々な味が楽しめる和洋折衷料理が世代を問わず受け入れられていることが明らかになった。
1)日本調理科学会平成23年度大会:「北海道の儀礼食-認知・経験の現状-」
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© 2012 日本調理科学会
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