日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成24年度日本調理科学会大会
セッションID: 1P-19
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ポスター発表
近畿における通過儀礼とその食事の認知・経験の世代間比較(兵庫県)
*富永 しのぶ片寄  眞木子坂本 薫田中 紀子原 知子本多 佐知子升井 洋至
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キーワード: 通過儀礼, 兵庫県, 世代
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抄録

【目的】日本には伝統的な通過儀礼があり、各々にふさわしい食物が用意されて来た。近年簡略化、外部化の進行にあり親から子への伝承の機会が減少している。学生と親世代での通過儀礼の認知・経験・喫食経験を調査し、兵庫県の現状を把握することを目的とした。【方法】調査は「平成21・22年度日本調理科学会特別研究」として、全国統一様式の調査により実施した。対象者は兵庫県在住の学生世代379人、親世代212人のデータを用い解析した。出産、七夜、百日、初誕生、誕生日、七五三、成人式、結納、婚礼、厄払い、長寿祝い、葬儀、法事の13儀礼の儀礼食について、世代間の比較を中心に解析した。統計学的検定はSPSSver19を用い、カイ二乗検定・正確確率により有意差検定を行った。【結果と考察】両世代共に認知が高い行事は、誕生日、七五三、葬儀、成人式(93~100%)、次いで婚礼、出産、法事、結納(81~99%以上)であったが、経験が高い行事は誕生日と七五三で(85~99%)、認知に比べ両世代が経験している行事は少なかった。両世代間には誕生日を除いて認知、経験共に有意差(p=0.000)が認められた。学生世代で七夜、百日の認知が50%以下と低かったのに対して親世代は七夜86%、その他は90~100%といずれも高かった。学生世代の誕生日と七五三の経験は85~95%と高いが、葬儀72%、法事57%、その他は6~40%と低いのに対して、親世代のこれらの行事の経験は高い、しかし七夜53%、厄払い59%、長寿祝い66%は、その他の行事84~99%に比較して低かった。通過儀礼食で両世代共に喫食経験が高いのはケーキと千歳飴で、餅類は低かった。学生世代は誕生頃の行事は記憶が不確実であり、未経験の行事も多く親世代との間に顕著な差が認められた。

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