日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成24年度日本調理科学会大会
セッションID: 1P-21
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ポスター発表
近畿における通過儀礼とその食事の認知・経験の世代間比較(滋賀県)
*小西 春江石井 裕子栗本 麻衣子高橋 ひとみ中平 真由巳
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キーワード: 通過儀礼, 滋賀県, 世代, 伝承
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抄録

【目的】近年、伝統的な行事食が親から子へ伝承されない傾向にあるといわれている。本報では、平成21、22年度の日本調理科学会特別研究として実施した全国行事食調査から、滋賀県の現状を把握し、通過儀礼の認知や経験、喫食経験の世代間による違いについて明らかにすることを目的とした。
【方法】平成21年12月~平成22年3月、日本調理科学会特別研究の全国統一様式の調査用紙を使用し、近畿2府4県の大学・短期大学に在籍する学生及びその親、その他近畿在住者を対象にアンケート調査を行った。そのうち、滋賀県出身の子世代(10~20代)、親世代(40~50代)、その他高齢世代(60代以上)を解析対象とし、通過儀礼に関する認知・経験および喫食経験の世代間比較をおこなった。
【結果】認知度は親世代、高齢世代に比べると子世代は低いが、誕生日、七五三、成人式、婚礼、葬儀の認知度は子世代、親世代、高齢世代とも高く、お七夜は子世代、親世代、高齢世代とも低かった。誕生日、七五三、葬儀、法事を学生は経験し、他の経験度は低かった。親世代と高齢世代はお七夜と厄払い
以外の経験度は高く、誕生日、法事、葬儀、婚礼は90%以上の人が経験をしていた。喫食経験は誕生日のケーキ、七五三の千歳あめは子世代、親世代、高齢世代ともに80%以上あった。赤飯・小豆飯、尾頭付き魚も儀礼食としての喫食率は高かった。子世代は認知はしているが経験や喫食経験が低く、前回の行事食同様、通過儀礼の伝承力も低下しており親世代が子世代に伝承していく必要性を感じた。

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© 2012 日本調理科学会
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