日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成24年度日本調理科学会大会
セッションID: 1P-25
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ポスター発表
女子大学生親子の通過儀礼の認知・経験と日常の食行動との関連
*山本 いず美小川 眞紀子
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抄録

【目的】通過儀礼とは、人生の節目ごとに行われる儀礼のことであり、それぞれの儀礼において特徴のある食べ物が供される。本研究では、平成22年度日本調理科学会特別研究「行事食・儀礼食」調査より、岡山県在学の女子大学生とその親に、13の通過儀礼の認知・経験、日常の食事作りや共食など食行動との関連を検討した。【方法】調査期間は、2010年4月~7月。調査対象は、調査の協力を得た本学学生とその親(調理担当者)29組、合計58名である。調査方法は自記式質問紙調査を留め置き法にて実施した。【結果】全員が認知していたのは、親は初誕生、誕生日、成人式、結納、婚礼、長寿の祝い、葬儀、子は誕生日、七五三、成人式であった。すべての通過儀礼について、親は80%以上の人が認知していたが、子では百日祝い(35%)、お七夜(24%)の認知が低かった。親全員が経験しているのは、初誕生、誕生日、葬儀であった。子では七五三と成人式の経験がどちらも97%で最も高かった。子の経験が50%以下である通過儀礼は8あり、中でも結納(14%)、厄払い(3%)が低かった。食行動面では、食事作りが好きな人は親41%子31%であった。食事作りが楽しいと思う人は親41%子41%であった。また家族や友達と食物等の情報交換をよくしている人は、親55%子38%であった。通過儀礼の認知・経験状況と食行動面との関連をみると、親は家族や友達と食事をすることを大切にする人は、通過儀礼を多く認知していた。子では食事作りが好き、食事作りが楽しいと思う人は、通過儀礼を多く認知しており、家族や友達と食物等の情報交換をよくしている人は、通過儀礼の経験が多い傾向がみられた。

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