日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成24年度日本調理科学会大会
セッションID: 1P-29
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ポスター発表
広島県における行事食・儀礼食の実態 
正月の行事について その3 お節料理
*石井 香代子桒田 寛子木村 安美高橋 知佐子渕上 倫子倉田 美恵
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抄録

【目的】広島県における正月に供されるお節料理の認知度や食し方などの現況把握と備後地区、安芸地区における特性および、学生と一般の摂取状況の違いを明らかにすることを目的とした。【方法】日本調理科学会特別研究「調理文化の地域性と調理科学‐行事食・儀礼食‐」の調査データから、広島県に10年以上居住している学生および一般者686名のお節料理を抽出し、備後地区と安芸地区に分類した。備後322名(学生 154名、一般 168名)、安芸364名(学生 173名、一般者 191名)についてお節料理(昆布巻き、きんとん、煮しめ、なます、だて巻き卵、かまぼこ)の喫食経験、喫食頻度、喫食状況などについて検討を行った。【結果】お節料理は一般94~99%、学生63~98%とほとんどの人が喫食経験していた。喫食経験者のうち、毎年食べる割合は、煮しめ、昆布巻きは備後一般が93%、75%と最も高く、安芸一般は86%、62%であった。きんとんも備後一般が73%と最も高く、その他は60%であった。なますはいずれも一般が80%台と高く、学生は59~65%と低かった。だて巻き卵、かまぼこは各々備後一般73%、92%、安芸一般62%、88%であった。家庭で作る率が高いものは一般で煮しめ(備後73.6%、安芸54.3%)、なます(備後70.7%、安芸51.3%)、きんとん(備後54%、安芸40%)、だて巻き卵(備後38.5%、安芸34.8%)、昆布巻き(備後34.2%、安芸26.8%)の順で、いずれも備後のほうが高かった。備後のほうが安芸よりお節料理の喫食頻度が高く、手作りの割合も高かった。学生は一般より、喫食経験、頻度とも少ない傾向が見られた。

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