日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成24年度日本調理科学会大会
セッションID: 1P-33
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ポスター発表
徳島県における行事食・儀礼食の現状について
-地域別比較-
*金丸 芳遠藤 千鶴高橋 啓子松下 純子後藤 月江武田 珠美長尾 久美子有内 尚子
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キーワード: 行事, 通過儀礼, 行事食, 徳島
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抄録

【目的】前大会で、徳島県における行事食・儀礼食の認知と経験、料理の喫食の状況を年齢区分別で比較した。そこで今回、県を地形の特徴で4区分した地域の現状を比較した。
【方法】調査は留め置き法で行い、10年以上徳島県在住者240名を、徳島市105名・北部(平野部)49名・西部(山間部)47名・南部(沿岸部)39名に4区分し、行事の認知と経験、料理の喫食についてクロス集計(有意差:χ2検定)をした。
【結果】徳島市は人日の経験度、お節の黒豆・昆布巻・きんとん・魚料理、人日の七草粥、上巳の潮汁の喫食度が高く、百日祝の経験度は低いが、行事全体でみると高い傾向にあり、豊かさが伺えた。北部は土用の丑、百日祝、結納の経験度、お節の田作り・煮しめ・蒲鉾、上巳の潮汁、結納の各種料理の喫食度が高いが、お節の魚料理の喫食度は低かった。他地域より結納、土用の丑の行事を重んじている傾向があった。南部はクリスマスの経験度が高かった。一方、経験度の低い行事は、秋祭り、冬至、土用の丑、結納であり、喫食度の低い料理はお節の黒豆・田作り・昆布巻・きんとん・煮しめ、節分の鰯料理、上巳の潮汁、冬至の南瓜煮物、お七夜の尾頭付魚、初誕生の餅、葬儀の精進料理、結納の各種料理であった。漁業が盛んな沿岸部にも関わらず、魚料理の喫食が低かった。西部は秋祭り、冬至の経験度、節分の鰯料理、冬至の南瓜煮物、お七夜の尾頭付魚、初誕生の餅、葬儀の精進料理の喫食度が高く、人日、クリスマスの経験度、お節の蒲鉾・肉料理、人日の七草粥の喫食度は低かった。他地域では経験度・喫食度の低い行事が西部では高い傾向にあった。以上、地域間に有意差があり、重視する行事に特徴が認められた。 

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