日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成25年度(一社)日本調理科学会大会
セッションID: 1C-a1
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口頭発表
添加溶液の異なるパン粥の物理的特性の検討
*高橋 智子河村 彩乃大越 ひろ
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抄録

【目的】ホームベーカリーで焼成したパンに①蒸留水、②15%粉末ミルク溶液、③ミルク溶液重量の10%をサラダ油に置換したものを液状食品として各々添加したペースト状パン粥の測定条件を考慮した物理的特性について検討した。【方法】パン重量と溶液重量の混合比率を1:5とし真空充填を行った。温浴中95℃20分間加熱後、高速ミキサー(回転数1,200rpm、撹拌時間10秒間)で攪拌・粉砕し、ペースト状パン粥とした。 テクスチャー特性測定時、試料品温を20±2℃と45±2℃、圧縮速度を1mm/secと10mm/sec、第2圧縮を開始するプランジャーの試料表面よりの距離(戻り距離)を5mmに加え15mmについて検討した。流動特性はバネ緩和法を用いて測定した。加えて光学顕微鏡を用いて、ペースト状パン粥の状態を観察した。【結果】サラダ油置換パン粥試料の硬さ、付着性はいずれの試料品温、測定条件においても大となり、ミルク溶液添加パン粥試料、蒸留水添加パン粥試料の順に軟らかくなった。いずれのパン粥試料もプランジャーの圧縮速度が速くなるに従い、硬さ、付着性も大きくなった。ことに、油脂を含むサラダ油置換パン粥試料、ミルク溶液添加パン粥試料の圧縮速度依存性は大となった。凝集性の圧縮速度が速くなると凝集性は小さくなる傾向を示した。戻り距離5mmミルク溶液添加パン粥試料の圧縮速度10mm/secの凝集性は標準偏差が顕著に大となった。流動特性は蒸留水添加パン粥試料の流動性指数が、油脂分を含む他の2試料よりも小さい傾向を示した。顕微鏡観察の結果、サラダ油置換パン粥試料には、水部分にサラダ油が直径30~120μmの球状の油滴となって分散していることがわかった。

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