日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成25年度(一社)日本調理科学会大会
セッションID: 2P-63
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ポスター発表2日目
卵黄レシチンがプリンの風味となめらかさに及ぼす影響
*大門 奈央與田 昭一金光 智行
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抄録
【目的】卵黄レシチンには澱粉の老化防止、クリーム類の離水防止効果などを有することが知られている。また、風味面では卵風味やコク味の付与が知られている。本研究では、卵黄が多く配合されるプリンにおいて、卵黄レシチンにおける風味やコク味の向上などの味に対する効果と物性改良効果を検討した。
【方法】卵黄レシチン無添加、卵黄リゾレシチンLPL-20S(キユーピー㈱製)添加、卵黄レシチンPL-30S(キユーピー㈱製)添加の3群を用いて、85℃で30分間蒸したプリンを調製した。官能評価で風味や食感(口どけ)を、機器評価で硬さを評価した。また、卵黄レシチンの添加方法の違いによる硬さを比較した。
【結果】卵黄レシチンを配合すると、プリンの卵風味と卵のコク味が付与された。プリンの硬さは、卵黄レシチン無添加>>卵黄レシチンPL-30S>卵黄リゾレシチンLPL-20S添加の順に破断応力および圧縮距離が大きく、卵黄レシチンの添加により、プリンがなめらかになることが確認された。また、卵黄レシチンを牛乳に添加するより卵黄に添加し、均一に混合することで、よりなめらかな食感のプリンが得られた。生ムリームを配合したなめらかなプリンにおいても、卵黄リゾレシチンLPL-20Sを配合すると、さらになめらかさが付与された。これらの結果は、卵黄レシチンの乳化性が卵の熱凝固に作用したものと考えられる。
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© 2013 日本調理科学会
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