日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成25年度(一社)日本調理科学会大会
セッションID: 2E-a2
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口頭発表
異なる包装状態による冷蔵中の肉と魚の抗酸化活性および衛生状態に及ぼす影響
*森山 三千江山本 淳子大羽 和子
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キーワード: 抗酸化活性, , , 真空包装, 冷蔵
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抄録

【目的】我々は既に、真空調理法を用いた調理品の機能性成分が貯蔵後に残存率が高い事を報告した。今回、真空包装機を用いて新鮮な食材を包装して冷蔵した際に、衛生状態が良く、抗酸化活性も高く保持できるかを経時的に追跡し、従来の冷蔵方法であるポリエチレン包装後の冷蔵品と比較し、調理前の真空包装機による包装後の保存が適しているかどうかを検討する事を目的とした。 【方法】肉類(豚肉、牛肉、ハンバーグの生・加熱)と魚類(サケ、タラ)を用いて、包装無し、ラップ包装、真空包装を行い、冷蔵したものを試料とした。さらに、肉類については、洗浄方法として無処理、水道水および電解水による流水での洗浄後、包装し冷蔵した。試料の新鮮時の抗酸化活性および大腸菌、一般生菌数を測定し、貯蔵後の経時変化を追跡した。 【結果および考察】肉の抗酸化活性は、貯蔵方法による差はあまり見られなかったが、生菌数はラップ包装より真空包装の方が増殖は抑えられ、また、水道水より電解水使用の方が増殖は抑えられた。ハンバーグでは、生、加熱調理品はどちらも抗酸化活性は、真空包装で高い活性値を維持し、一般生菌数は最も少なかった。魚では、ラップ包装の方が抗酸化活性は若干高く維持されたが、生菌数の増加は、真空包装の方が貯蔵中を通して抑えられた。サケとタラを比較すると、抗酸化活性はサケの方がやや高く維持され、生菌数の増殖もサケの方が抑えられたが、この数値の違いはサケの色素であるアスタキサンチンによるものであると考えられる。また、大腸菌はどの試料からも検出されなかった。以上の結果から新鮮食材の貯蔵は真空包装と電解水処理は効果的であると示唆された。  

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