日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成25年度(一社)日本調理科学会大会
セッションID: 2E-a1
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口頭発表
乾物魚介類で調製した中国粥の抗酸化能を高める調製方法の検討
*虞 申佳久松 裕子永塚 規衣長尾 慶子
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抄録
【目的】中国では、粥は朝食の場でよくとりあげられる献立料理である。先に我々は白粥を中心に調味料の種類を変えた時の抗酸化能について報告した1)。本報では、日常的に摂食頻度の高い白粥を対照にして、保存しやすい乾物の魚介類を加えて調製した中国粥数種をとりあげ、抗酸化能を高める海鮮粥の調製方法を検討した。
【方法】日常の白粥に加える乾物魚介類材料として、スルメ、小エビ、ホタテ貝柱、カツオ節をとりあげた。先ずそれらの乾物自身の抗酸化能を測定した。次に白米に7倍量の水を加え常法で調製した白粥を対照にし、カツオ節の一番だし、およびスルメ、小エビ、貝柱の浸漬水(1-36時間)で調製した海鮮粥を試料とした。又、白米の20wt%の魚介粉末を混ぜこんで調製した粉末粥も試料とした。それらを凍結乾燥後、超純水および70v/v%エタノールで抽出し、ケミルミネッセンス(化学発光)法によりペルオキシラジカルの捕捉活性を測定して、IC50値(%)および粥一食分の抗酸化量値として算出・比較した。
【結果】スルメでは、水浸漬時間に比例して浸漬液の抗酸化能が高くなった。カツオ節の一番だしおよび二番だしそのもののIC50値(%)が0.9および3.8と高い抗酸化能を示した。各種粥では、スルメの浸漬液で調製した“スルメ粥”とカツオ一番だしで調製した“だし粥”は白粥に比べて抗酸化能が有意に高くなった。粉末の魚介類で調製した“粉末粥”の抗酸化能も上記“浸漬粥”同様に高くなった。以上の結果より、白粥に比べて乾物の魚介類を加えることで、いずれも抗酸化能を高めるのに有効であった。1) 虞他:日本食生活学会平成24年度第45回大会研究発表要旨集,1-11(2012)
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© 2013 日本調理科学会
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