日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成25年度(一社)日本調理科学会大会
セッションID: 2E-p3
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口頭発表
ハッショウマメの各種調理品のL-DOPAの定量
*飯島 久美子堀川 菜摘郡山 貴子香西 みどり
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抄録

目的 ムクナ属マメの一種であるハッショウマメは多収穫という特徴を持つがL-DOPAを4~5%含むため、一度に多量に摂取すると頭痛などを引き起こすことがあり、食用とする場合には調理過程での除去が必要とされる。これまで、種々の調理操作によりL-DOPA量を制御できることを明らかにした。そこで、本研究では食材としてのハッショウマメの普及のために世界各地での調理品の収集と再現および新たな調理品の調製とそれらのL-DOPA量を把握することを目的とした。
方法 調理品は論文、一般の料理書および古文書等の文献より収集し、調理品の形態により分類し再現した。さらに小麦粉と煎り豆粉を20%置換した3種類の麺(平麺・中細麺・細麺)と2種類の置換率の乾パンおよび4種類の味噌を調製しL-DOPA量(HPLCによる)の測定と官能評価を行った。
結果 乾熱処理した煎り豆粉のL-DOPA量は豆の約60%、湿熱加熱である浸漬・茹で豆は溶出により約30%に減少した。前処理をしたこれらを用いて再現した調理品100g当たりのL-DOPA量は、煎り豆粉濃度が7%の抽出飲料では0.06g、3%のコンソメスープでは0.10g、浸漬・茹で豆から調製したマッシュビーンは0.19g、きんとんは0.23g、五目豆は0.29g、ポークビーンは0.42gであった。前処理によるL-DOPAの変化に比べて調理による変化はわずかであった。煎り豆粉20%置換ゆで麺のL-DOPA量は麺の形状に依存しており、細麺は麺100gに 0.24gと最も少なかった。煎り豆粉10%置換の乾パン100gのL-DOPA量は0.17gであり、置換により吸湿が抑えられた。

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