日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成25年度(一社)日本調理科学会大会
セッションID: 1P-12
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ポスター発表(1日目)
栄養士養成校の学生における調理実習の指導方法に関する研究
~習熟度自己評価と設定目標の分析から~
*安田 智子澤田 千晴宮地 博子北山 育子
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抄録
【目的】本学生において家庭や学校での調理経験が少なくなっており、調理実習での限られた時間内で十分な調理の知識や技術を学生が身に付けるためには、かなりの指導方法の工夫が必要であると感じている。そこで一年間の基礎的な学びを経た学生に対して、今後いかに主体的な学びをさせ、効果的に技術・知識を習得させるかの指導方法の検討を試みた。
【方法】短期大学生72名、専門学校生21名の計93名を調査対象とし、調理実習における習熟度を5点満点で自己評価させ、2年初回時と入学時の2回行い、2年次での設定目標は自由記述式で行った。実施時期は平成25年4月の講義初回時である。また、短大と専門学校は週の実習時間が異なるため、両校の比較も実施した。データは単純集計で行い、χ検定により分析した。
【結果】2年初回時での習熟度が高かったのは「手作りのおいしさの理解」で味覚に関するものであり、「衛生的な服装」と共に4.5点であった。次いで「計量・廃棄率」が高かった。「調理の段取り」「汁物の適正な味付」は3.0点と低く、調理経験を積み重ねる事で身につく項目であった。入学時からの習熟度上昇値について「ご飯の炊き方」「だしの取り方」と基本の調理に関するものは高いが、「食器選択・盛付」の仕上げ操作は低かった。設定目標は「切り方・味付・盛付」が短大生48%、専門学校生43%と両校共に高かった。次いで短大生は「調理に関わる計算」23%に対して、専門学校生は「班員との関わり」35%であった。今後の指導方法については、事前に作業工程表や具体的な設定目標の記入、更には班員の動きに応じて、必要な自分の調理活動を判断する力を養うため、教員の適切な働きかけの重要性を再確認した。
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© 2013 日本調理科学会
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