日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成26年度(一社)日本調理科学会大会
セッションID: 1P-59
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ポスター発表
自炊のための食情報誌作成
-大学生への食支援として-
*園田 純子有福 陽子大森 かおり乃村 沙耶花細田 眞美
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抄録

【目的】大学入学までの学校教育の中で、家庭科やその他食に関する指導を受けてきた大学生であっても、自分自身で食事を作るための知識や技術が十分とはいえない。そこで、本学学生の食に関する実情をふまえ、自炊のための食情報誌の作成を検討した。【方法】自炊をテーマとした料理教室の開催(平成25年6月)と、本学全学部生(1307名)を対象とした食に関する調査(同10月、回収率83%)により、本学学生の食状況の実情を明らかにした。さらに家庭科教科書等を用いて、食の自立のために必要とされる内容を精査し、掲載する料理の作成・写真撮影、イラスト作成等を行い、パンフレットを完成するとともにその活用を検討した。【結果】全学調査より、1日3回食事をとっている人は自宅生、寮生共に80%以上で、一人暮らしでは67%であった。一人暮らしの人は、食生活の満足度が34%と他に比べて少なかった。一人暮らしは全学生の7割を占めており、積極的支援の必要性が示唆された。食生活を満足するための知識として半数以上が「バランスのとれた食事のとり方」をあげ、「簡単な調理方法や料理」がそれに次いだ。料理教室で得られた意見や評価をもとに、情報誌の内容は「準備する調理器具・調味料・食器類」「調理の基本知識(計量・切り方・火加減・調理用語・食材の保存方法・栄養バランス)」「基本的な料理の紹介と余ったときの一工夫」「参考資料やウェブサイトの紹介」とし、食事バランスガイドのシートも添えた。完成した情報誌は、退寮後一人暮らしを始める本学寮生全86名へ配布した。今後、大学主催の健康セミナー(料理教室)での使用や新入学生全員への配布を行うことにより全学生への食支援につながると思われる。

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