日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成26年度(一社)日本調理科学会大会
セッションID: 2P-60
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口頭ー発表
近赤外顕微マッピングによる食材の鮮度管理法に関する研究
*河野 俊夫橋本 聖子疋田 慶夫
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抄録

【目的】食品ロスを削減するためには、なによりも、提供した食品を消費者に100%消化してもらえることが大切であり、そのためには、消費者のもったいない意識の醸成はもちろんのこと、食材の高品質化と鮮度保持が重要と考えられる。外食産業で使われる食材の多くが調理済み冷凍食品であることからすれば、冷凍処理過程および冷凍処理後の調理済み食品の品質変化を正確に把握・管理する技術が必要である。
【方法】そこでレストラン等の外食産業で利用されることの多い冷凍食材について、その品質の変化を、近赤外線によって探査・推定する手法について研究した。外食産業で利用頻度の高い野菜として、アスパラ、カボチャ、グリーンピース、コーン、ニンジン、ブロッコリの冷凍ものについて、これら冷凍食材に光を照射し、その反射光のスペクトルに含まれる品質関連の固有波長の情報を利用して、各食材の品質指標を推定する方法について検討した。
【結果】冷凍野菜表面の近赤外反射分光スペクトルのマッピングデータから冷凍野菜の品質指標を推定する場合に、各品質指標を個別に推定するにはPLSRモデルを用いることが精度の点で優れる。一方、ニューラルネットワークモデルによる品質指標の一括推定モデルについては、一つのモデルで品質指標を一括して推定できる利点はあるが、PLSRモデル構築と同程度のデータ数で構築した場合、学習過程で、データ分散の大きな品質指標に最適化が行われる傾向があり、糖含量相対値のように分散の小さなデータに対しては予測精度が低くなる結果となった。 
 なお、本研究は、公益財団法人江頭ホスピタリティ事業振興財団の研究助成により実施した。ここに記して謝意を表する。

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