日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成26年度(一社)日本調理科学会大会
セッションID: 2P-61
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口頭ー発表
家庭用冷蔵庫のチルド帯保存食品と保存温度に関する調査
*露口 小百合中平 真由巳松井 正枝
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抄録

【目的】家庭用冷蔵庫は,チルド帯に保存する食品においしさと鮮度が要求されることが多く,業界各社では,チルド帯,氷温帯,パーシャル帯,さらには真空機能を設けるなどの工夫がなされている。また,調理済み・半調理済み食品が増えており,効率的かつ効果的な保存や管理方法が課題となっている。そこで,今回はチルド帯に保存されている食品の種類および保存方法に関して,各家庭に質問用紙による調査を行った。同時に,チルド帯の温度変化を記録し,食品が適切な温度下で管理されているかについて確認した。
【方法】女子学生100名の実家の冷蔵庫のチルド帯に保存されている食品を同時期に調査し,その保存期間,消費・賞味期限,保存方法,冷蔵庫の形態などを質問用紙による調査を行った。そして,チルド帯に保存する食品の傾向や保存方法がどのような傾向にあるのか解析した。また,家庭用冷蔵庫に温度センサーを付け,実際のチルド帯温度を一定時間測定した。
【結果】冷蔵庫の形態は様々であったが,保存されている食品,保存期間,保存方法などには一定の傾向がみられた。保存されている食品は,加工食品,生鮮肉,鮮魚の順に多かった。また保存期間は1週間,2~3日,2週間の順に多く,チルド帯が一定容量のためか,消費・賞味期限切れの食品は意外に少なかった。保存方法は購入トレイにラップをするまたは開封口を折るが最も多く,続いてゴムやクリップで留める,クリップで留めてビニールへ入れる,別容器へ入れ替えるの順であった。また,チルド帯の各家庭の温度は,-2~4℃と温度幅もチルドルームの形態により異なり,また温度設定の他に食品の詰め方や扉の開閉回数などにより影響を受けていることが伺えた。

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