日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成26年度(一社)日本調理科学会大会
セッションID: 1E-a1
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口頭ー発表
産地の異なる青大豆の調理科学的特性
*杉山 香琳大谷 貴美子古谷 規行村元 由佳利松井 元子
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キーワード: 青大豆, 調理, テクスチャー
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抄録
【目的】大豆は,昔から「畑の肉」として日本人の健康を支えてきた重要な食材であり,多種多様な大豆加工品とともに,日本人の食文化には欠かせない食材である。近年,日本各地で全国流通大豆品種との差別化をめざし,その土地に古くから栽培し続けられてきた品種「在来種」を復活させ,地域固有の資源(地域ブランド)として活用する取り組みが活発化しつつある。そこで,本研究は,利用頻度の低い青大豆に焦点をあて,京都を含め産地の異なる青大豆の調理科学的特性を比較し,若干の知見を得たので報告する。
【方法】本研究に用いた在来青大豆は,平成25年産の京都府産6種(京田辺,久田美、水くぐり,亀岡,十倉,市野原),山形県産4種(あおばた豆,秘伝豆,黒神,サトウイラズ),秋田県産(大潟村),長野県産(鞍掛豆)の計12種である。百粒重,粒の大きさ,水分含量,色差,吸水率,煮熟重量増加率,煮豆の破断強度,イソフラボン等の機能性成分含量等を測定する。
【結果】試料大豆の水分含量は,京都府産と山形県産(黒神)は約11%で,それ以外は13~14%であった。百粒重は亀岡(52.5g)が最も重く,黒神(14.2g)は最も軽く,他の豆は40~50gであった。吸水曲線はいずれも一般的な大豆と同様の曲線を描き,黒神は他の品種に比べ若干早く吸水したが,10時間後にはすべての豆が元の重量の約2倍になった。吸水後の豆の硬さは,京都府産の豆は他の産地に比べて若干軟らかい傾向がみられた。煮熟後の煮豆の物性やイソフラボン含量等については現在検討中である。なお,本研究は,平成26年度京都府立大学地域貢献型特別研究(ACTR)の支援を得ている。
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© 2014 日本調理科学会
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