日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成26年度(一社)日本調理科学会大会
セッションID: 1P-19
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ポスター発表
新規ゴマパウダーの調理への利用
*武田 珠美
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キーワード: ゴマ, ゴマパウダー, 調理
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抄録
[目的]ゴマの新しい利用形態として焙煎後、超低温(液体窒素利用)で凍結し粉砕した、パウダー状のゴマが開発されている。粒度は練りゴマに匹敵するが、さらさらしており、すりゴマの外観や食味とも異なるため、どのような調理に適性が高いのか不明である。そこでゴマパウダーの調理適性を明らかにし、どのような特性に基づくかを検討した。
[方法]ゴマパウダー(リキッドガス)およびその原料である炒りゴマを試料とした。炒りゴマは、電動磨砕機によってすりゴマ(磨砕1分間)あるいは練りゴマ(磨砕30分間)を調製した。調理によってすりゴマあるいは練りゴマを選択し、ゴマパウダーとの比較を官能評価により行った。また吸水性、分散性、顕微鏡像等を比較した。香りについて室温25℃で30日間の保存試験を実施した。
[結果]ゴマパウダーは小麦粉スイーツにおいてショートネスを付与し、ケーキ類よりもタルト、スコーンやクッキーに適性がみられた。ポタージュ等の汁もの、あえもの、プリンは従来のゴマの方が好まれた。これはゴマパウダーによるテクスチャーへの違和感が一因と考えられ、理由を検討中である。香りの保存試験の結果、調製直後はゴマパウダーとすりゴマは練りゴマよりもゴマらしい香りが同様に強かったが、20日後にはゴマパウダーの方が強いと評価された。油臭さはすりゴマよりも遅延して発生する傾向であった。ゴマパウダーは風味が保持され、分散性が高いため、各種調理に応用可能であるが、従来のすりゴマや練りゴマとの違いをさらに追及する必要があると考えられた。
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© 2014 日本調理科学会
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