日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成26年度(一社)日本調理科学会大会
セッションID: 1P-18
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ポスター発表
ダリア塊根の安全性と調理特性
*荒木 裕子高梨 裕子丸井 正樹
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抄録

【目的】ダリア(Dahlia,Dahlia)はキク科ダリア属のメキシコ原産の植物である。近年、花の収穫後に廃棄される塊根の有効利用が望まれている。塊根にはイヌリンが含有されており、アメリカではダリアイヌリンの機能性サプリメントが販売されている。ダリア塊根を有効活用する働きがある中、過去にダリア塊根での食中毒事件が報告されている。ダリア塊根の安全性は他の研究で確認されているが、本研究では、福島県塙町産ダリア塊根の食材としての安全性を確認し、またダリア塊根の新規利用の検討も試みた。【方法】ダリア塊根は加工特性を考慮して、洗浄後輪切りにし、65℃で乾燥し粉砕したものを試料とした。(以下ダリア粉)ダリア粉の一般成分を日本食品成分表に準拠する方法で分析した。安全性の確認は、硫酸アトロピン、スコポラミン臭化水素酸塩を標準物質として用い、ダリア粉の溶媒抽出液をTLC法、HPLC法で分析した。ダリア粉を添加した新規加工食品として麺、クッキー、パン、生パスタの調製を行なった。【結果】ダリア粉の一般成分分析値は[可食部100g中、水分7.9g、たんぱく質5.9g、脂質0.6g、灰分3.0g、炭水化物82.6g]であった。安全性の確認ではTLCではアトロピンがRf値0.3、スコポラミンがRf値0.8に確認されたが、試料では検出されなかった。HPLCでは標準物質アトロピンでは約12分にピークが検出されたがダリア粉からは約12分にピークが検出されなかった。新規加工食品の調製を試みた結果、ダリア粉の持つ色調や香りなどが付加された食品が調製できた。特にダリア粉を添加した麺は色調や味が蕎麦に類似し、そばの代用品として提供することが可能であると示唆された。 

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