日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成27年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 1P-61
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ポスタ―発表
エディブルフラワーを活用した加工食品開発
-クッキー-
*石神 優紀子山﨑 薫綿貫(吉澤) 仁美奈良 一寛江口 愛熊澤 明乃笹 祥子
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抄録

【目的】観賞用として印象が強い花にはエディブルフラワーと呼ばれ,食される花がある。見た目の華やかさや栄養成分に注目が集まり,流通量は増加しているが,生花のまま食べることに抵抗を感じる人が多く,家庭には浸透していない現状がある。楽しさ,美しさ,快適さなどの要素が美味しさと同様に重要になっている。特別な日やホテルやレストランのみでなく,普段の生活でも活用して貰えるよう,親しみやすい加工品を試作し,用途を広めていきたいと考えている。今回は数ある試作のなかから、クッキーに対して行った官能評価結果を中心に報告する。
【方法】食用として市販されているローズ,マリーゴールドなど20種類以上のエディブルフラワーを供試しているなか,①生花をみじん切り,②乾燥花をそのまま,③乾燥花を湯通しした条件でローズを取り入れたクッキーを作成し,外観・味・テクスチャー・香り・総合的評価の項目で,27名のパネルで官能評価(評点法)を行った。さらに,乾燥花をみじん切りしたマリーゴールドを添加し,添加量の異なる3種類(大さじ1・大さじ4・大さじ8)のクリームをサンドしたクッキーを,香り・味・外観(クリーム)・総合的評価の項目で,50名のパネルで官能評価(順位法)を行った。
【結果】評点法の総合的な結果から,試料間には有意差があり(P<0.05),パネル間にも有意差が認められた(P<0.01)ことより,見た目のよさについては生花が,香りや味の良さについては乾燥花が,調理時の扱いやすさについては乾燥花がそれぞれ適していることがわかった。順位法では,乾燥花の添加量による嗜好の違いが認められた。添加量が一番多い試料は花の香りが強すぎた為あまり好まれず,また逆に少なすぎるのも物足りなさがある傾向が認められ,中間量の大さじ4の条件に対し,味(P<0.01),総合(P<0.05)ともに有意差が認められた。

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