日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成27年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 1P-69
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ポスタ―発表
低温抽出によるべにふうき緑茶の機能性成分の検討
*田澤 みさき上村 慎子淺沼 俊倫池ヶ谷 篤山下 里恵竹下 温子
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キーワード: 緑茶, 機能性, カテキン
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抄録

【目的】べにふうきは紅茶の品種であるが、発酵させず緑茶として抽出すると3-O-メチルエピガロカテキンガレート(EGCG3”Me)が存在する。このEGCG3”Meはメチル化されていないEGCGに比べ、体内への吸収率が高く、血中滞在時間も長いため、脂肪蓄積抑制効果が高く、抗アレルギー作用も報告されている。我々は生体実験(In vivo)においてこのべにふうき緑茶と生姜の組み合わせにより、それぞれの単独投与より相乗的な脂肪蓄積抑制効果を明らかとした(口頭発表予定)。そこで本研究では、In vivo実験にて使用した茶葉中の機能性成分の測定および異なる抽出条件による機能性成分量について測定し、最も多く機能性成分が抽出される条件を探ったところ、非常に興味深い知見を得たので報告する。
【方法】茶葉中のカテキン抽出にはメタノール法を用い、高速液体クロマトグラフィー(HPLC; High performance
liquid chromatography)にて測定した。また緑茶抽出液の条件は、日本食品成分表を基準とし、温度、抽出時間を振り、緑茶主要のカテキン8種と、カフェイン、テアニンにつてもHPLC法を用いて測定した。
【結果】In vivo実験に使用したべにふうき緑茶葉は、非メチル化カテキン量が13.6g/100g 、カフェインが2.3g/100gと、報告されているべにふうき緑茶の非メチル化カテキン量と同等の値を得た。メチル化カテキンについては現在測定中である。緑茶は抽出温度によって抽出される成分が変わることは周知されており、カテキン類は高温のほうが抽出されやすく、機能性も高まる。しかしカテキンの中でも主要な成分であるEGCGは加熱することで熱異性化反応により変化してしまう。そこで我々は機能性を高めた飲料開発のために、水出し抽出により緑茶抽出液の時間を振り検討したところ、2時抽出で高温抽出の2倍量の総カテキンを得ることができた。今後はさらに細かい時間設定により飽和抽出時間を探る

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