日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成27年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 2P-25
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ポスタ―発表
マヨネーズによる野菜の苦味低減効果
*西村 知紗吉岡 智史柳澤 琢也
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キーワード: マヨネーズ, 苦味, 野菜
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抄録
【目的】野菜に含まれる苦味成分であるポリフェノール、アルカロイドは、近年その健康機能が注目されており、多くの報告がなされている。しかし、一般に野菜の苦味に対する受容性は高くないため、野菜の摂取不足の一因と考えられる。野菜の苦味を低減することは野菜の摂取量を増やし、結果として人々の健康に寄与することができると考えた。本研究では苦味低減にマヨネーズが有効であること、およびその作用機序を明らかにすることを目的とした。【方法】対象とする野菜としては苦味が嗜好性を低下させている要因と考えられるゴーヤおよびピーマンを選択した。これら野菜に対するマヨネーズの苦味低減効果について、マヨネーズおよび食用植物油で加熱調理した試料の官能評価を行った。また、マヨネーズ添加区、無添加区の試料について、味認識装置による苦味評価を実施した。さらに、苦味低減効果の作用機序を明らかにするため、マヨネーズ原料である油脂、食酢、卵の苦味低減効果を評価した。【結果】ゴーヤ、ピーマンをマヨネーズで加熱調理した試料は、植物油を用いた試料と比較して、より苦味が低減していることが官能評価により明らかとなった。また、味認識装置による苦味の評価では、マヨネーズ添加区は無添加区と比較して明らかに低い値を示した。これらの結果から、マヨネーズは野菜の苦味低減に有効であることが示唆された。この作用機序として、マヨネーズ中の乳化粒子がゴーヤ、ピーマンの苦味成分を吸着している可能性が考えられた。この仮説を確認するため、マヨネーズ原料の油脂、食酢、卵での苦味低減効果を現在、確認中である。これらの原料よりもマヨネーズの効果が高い場合には、乳化粒子の寄与が高いことが示唆される。
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© 2015 日本調理科学会
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