日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成27年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 1E-a1
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口頭発表
べにふうき緑茶および生姜を用いた脂肪蓄積抑制効果の相乗・拮抗作用の検討
*松下 智紀松浦 布美福原 泰斗原 規佳子茶山 和敏竹下 温子
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抄録

【目的】我々は普段の食生活の中で、様々な食品成分を複合的に摂取しているが、機能性についての報告は、単独の食品が多く、由来の異なる食品成分を組み合わせた生理学的機能性に関する検討は少ない。よって本研究では、多くの機能性を有している緑茶と同様に抗肥満作用を持ち、古くから生薬としても利用されてきた生姜に着目し、この2つの食品成分の組み合わせによる脂肪蓄積抑制の相乗作用の機序について検討することを目的とした。
【方法】C57BL/6J系の雌マウス5週齢を45匹購入し、一週間の順化後、通常食、高脂肪食、茶添加食(茶群)、生姜添加食(生姜群)、茶+生姜添加食(茶生姜群)の5群(各n=9)に分け、自由摂食・摂水とし9週間の飼育を行った。3日ごとに摂食量、一週間ごとに体重を測定した。6時間絶食後、麻酔を腹腔投与し、心臓から採血した。頸椎脱臼後、各臓器重量を測定し、-80℃で保存した。脂肪の合成や代謝に関わる遺伝子発現についてはR-T PCRを用い、血中・肝臓中の脂質は和光純薬製のキットを用いた。
【結果】摂食量に優位な差は見られなかったが、茶生姜群のみ7週目から5%水準で優位に体重が低値を示し、9週目では0.1%水準で優位に高脂肪群より低値を示した。茶および生姜の単独投与群では高脂肪食群に比べ優位な差がみられなかったため、茶+生姜による相乗効果が明らかとなった。また、茶生姜群は通常食群とほぼ同様の体重を示したことから、脂肪蓄積抑制作用は、通常食と変わらない結果をもたらすことが分かった。さらに臓器重量は、肝臓・内臓脂肪量が茶生姜群で1%水準で優位に低値を示し、肝臓中脂質についても茶生姜群において1%水準で優位に低い値を示したことから、肝臓重量の低下は、脂肪蓄積抑制によるものであることが明らかとなった。遺伝子発現については現在検討中である

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