抄録
【目的】加工食品メーカーの課題のひとつに、不快臭の解決が挙げられる。代表的なものに、魚の泥臭みの主成分である2-メチルイソボルネオールや、畜肉・魚肉の不快臭となるヘキサナールなどの脂質酸化臭が挙げられ、これら不快臭は製品の品質低下要素となっている。本研究では、特に麹の糖化液について、各種不快臭のマスキング効果を検証した。
【方法】不快臭成分として、2-メチルイソボルネオール、ヘキサナール、トリメチルアミン、エチルメルカプタンを対象とし、麹の糖化液を添加した試験区における残存量をGC-MSにて分析により評価した。
【結果】麹の糖化液を添加した場合、2-メチルイソボルネオール、ヘキサナール、エチルメルカプタンの消臭効果が確認された。また、特にクエン酸を多量に含む白麹の糖化液を用いた際には、トリメチルアミンやアルデヒド類の消臭効果も確認できた。