日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成28年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 2D-a5
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口頭発表
女子学生における正月3日間の食生活について
*瀬尾 弘子片岡 佳子宇都宮 由佳
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キーワード: 正月料理, 雑煮, おせち
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抄録
【目的】「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されて以降、「和食」の保護・継承が推進されている その一方で若年層を中心にファストフードへの依存の増大など、近年我国の食生活は急速に変化してきており、正月料理を中心とした伝統的な行事食をいかに次世代に伝えていくかは大きな課題となっている。 そこで本研究では、今後の伝統料理伝承の手がかりとするため、女子学生を対象として、正月の3日間、「いつ、誰と何を食べているのか、誰が作っているのか」等についての実態を調査した。 【方法】2015年1月1日から3日間の食事(喫食時間・場所・一緒に食べた人・食事内容・作り手)について、女子学生136名を対象に自記式アンケート調査を行った。アンケート用紙は12月中に配布し、回収後集計した。 【結果】食事のとり方についてみると、元旦の1回目の食事(朝食)は自宅で家族一緒にとる者がほとんどであった。ただ、その食事時間は7時~13時までとかなり幅があった。また、2回目以降の食事は外食等自宅以外で食事をとるケースが目立っている。2日目以降になると、家族以外で友人等との食事が増加している。 次に、食事内容をみると、お雑煮を食べている者は約半数、和食の伝統であるお節料理(祝い肴)を食べている者は極めて少なかった。手作りの場合の作り手は、母親より祖母が多かった。目立った特徴として、正月の料理としてカニや刺し身、お寿司や鍋料理が多くとられていた。市販のお節料理や様々なメディアの影響か、ローストビーフ等洋風の料理を正月料理としてとるケースが増加しているようにうかがえた。また、外食ではパスタ、丼もの、ラーメンなど、日常の食事と変わらないものが食べられていた。
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© 2016 日本調理科学会
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