日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成28年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 2D-a6
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口頭発表
性別・年齢・世帯構成の違いにみる食に関する重視点と食物摂取傾向
*佐藤 真実
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抄録

【目的】日本の食生活が洋風化するとともに和食の食材となるべき食品の食料自給率、食品群別摂取量、家計支出は年々減少している。本研究では、食に関する重視点、食品や料理の摂取頻度について性別、年齢別、世帯構成別に違いを明らかにする。また、食に関する重視点が食物摂取に影響を与えているかについて考察する。 【方法】平成26年7~12月に県内の10歳代から80歳代までの男女1650名を対象にアンケート調査を行った(有効回答率89.1%)。調査項目は、119食品の料理や食品についての摂取頻度、属性(性別、年齢、世帯構成)などについてである。食事の重視点は6段階(0:わからない、1:全く重視しない~5:とても重視する)の尺度を用いた。食物摂取傾向は、摂食頻度とし5段階(1:食べたことがない、2:食べない~ 5:よく食べる)の尺度を用いた。 【結果】食事の重視点では、「おいしさ」、「食材を無駄にしない」、「安全」などを重視する人が八割以上いた。一方、「郷土料理を作る」、「おしゃれ」などを重視する人は少なかった。性別では、女性が「価格」、「手間がかからない」など時間や経済を重視する傾向が強かった。年齢では、若年層が「満腹感」や「価格」、壮年層が「共食」、「楽しい雰囲気」を重視する傾向が強かった。食物摂取傾向としては、よく食べるものとして「ごはん」、「味噌汁」、「冷奴」、「卵焼き」があげられた。性別では、女性が「菓子パン」、「スパゲッテイ」など、世帯構成では、一人暮らしが「コーヒー」、「温泉卵」などをよく食べていた。「おいしさ」(食嗜好度)と食物摂取の関係は、相関が高かったが、それ以外の食に関する重視点は、各属性の食物摂取に大きな影響を与えているとは考えづらかった。  

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