日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成29年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 1P-36
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ポスター発表
ガスレンジおよびスチームコンベクション加熱における鶏肉の品質とガス消費量の比較
池田 昌代*秋山 聡子*鈴野 弘子
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抄録

【目的】給食はフードサービスの一環であり、限られた資源の中で利用者の欲求を満たす食事を提供することが求められている。このため、料理の品質はもちろんのこと調理時のコストを考えた調理機器の選択が重要となる。本研究では、給食施設において料理の品質や光熱水使用量を考慮した調理機器を選択するための基礎資料を得ることを目的とし、ガスを熱源とするレンジとスチームコンベクションオーブン(以下スチコン)を対象に、「焼く」操作を行った際の料理の品質とガス消費量について検討を行った。

【方法】1.加熱機器:レンジ(2MB150R)、スチコン(KCVM6G) (オーブンおよびコンビモード)。2.試料:鶏むね肉1枚あたり70g。3.方法:調理時のガス消費量はガス流量モニタ(CMG150)で測定し、鶏むね肉100枚(合計7kg)を加熱した時の値を10枚ごとに算出した。加熱後の品質は、一般成分分析、クリープメータ(RE2-33005CX)による物性測定、5段階尺度による分析型および嗜好型官能評価(n=20)を行い評価した。

【結果】ガス消費量は、鶏むね肉50枚まではレンジ加熱が最も少なく、それ以上ではコンビモードでの加熱が少なかった。破断荷重(N)は、レンジおよびオーブン加熱に比べてコンビモード加熱が有意に低い値であった。嗜好型官能評価では、レンジ加熱での“焼き色”は、コンビモード、オーブン加熱に比べ「好ましい」と評価されたが、“噛みきりやすさ”、“総合評価”においては、オーブン加熱が最も「好ましい」と評価された。給食施設において、コストを考慮した上、利用者の嗜好に合致した調理を行うには、食数や調理操作に応じた調理機器の選択が必要であると考えられた。

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