日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成29年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 2P-23
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ポスター発表
ファルネソール生産性酵母を用いた清酒による大豆タンパク臭およびオージービーフ畜肉臭の抑制効果
岡 麻理子*山内 隆寛*窪寺 隆文明石 貴裕
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抄録

【目的】大豆や牛肉を用いた食品には、それぞれ、大豆タンパク臭や畜肉臭といった独特の不快臭が知られている。テルペンアルコールは食品の不快臭を抑制することが報告されていることから1)、我々は、ERG9遺伝子に変異を持ち、ファルネソールを生産する酵母を用いて清酒を製造し、不快臭の抑制効果を評価した。
【方法】大豆臭は、ファルネソール酒を含有する水で水戻しした大豆タンパクをひき肉に練り込んだハンバーグ、畜肉臭は、ファルネソール酒を含有した調味液で煮込んだオージービーフ薄切り肉で評価した。評価は、官能検査と、不快臭の指標としてヘキサナールのGC/MS測定で実施した。
【結果】対照を水とし、生姜、一般清酒およびファルネソール酒の調理効果を官能検査で比較したところ、ファルネソール酒は水、一般清酒よりも大豆タンパク臭とオージービーフ畜肉臭を抑制した。一方、テルペンアルコール類を含有する生姜はファルネソール酒と同等の不快臭抑制効果があったが、食品に生姜独特の風味も付与した。これに対し、ファルネソール酒は食品に風味を付与せずに不快臭を抑制した。現在、ファルネソール酒の香気成分やヘキサナールの残存量の解析を進めている。
1) 笠原ら 日本水産学会誌, 59, 673-675, 1993.

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