日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成29年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 2P-38
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ポスター発表
食生活における省エネ行動の難易度評価法の汎用性と妥当性の検討
赤石 記子*三神 彩子*飯村(久松) 裕子小池 温子長尾 慶子
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抄録

【目的】これまでの調査研究から食生活に関する省エネ行動に関し,取り組みやすさには,その行動自体の難易度が関係しており,難易度に応じた教育支援策を提案することが望ましいことが明らかとなった。そこで省エネ教育前後の行動の認知度と実践度から省エネ行動の難易度評価表の作成を試みてきた。本研究では,さらに対象を変えて評価法の汎用性と妥当性を検討した。
【方法】調査対象はT大学3年生の平成27年度65名と平成28年度43名とした。調査期間は平成27年9月~12月と平成28年4月~7月に設定した。省エネ教育前に省エネ行動(買い物,調理,片付けに関する15項目)の認知度や実践度を自己評価シートに記入させた。その後,省エネ教育として食を取り巻く環境問題の講義や調理実習を実施し,教育後に同様の自己評価シートに記入させた。得られた結果より平成27年度の認知度と実践度から難易度表を作成した。さらに平成28年度の対象者に対しても提案した難易度表が適用できるかを検討した。
【結果】省エネ行動15項目についての教育前後の認知度と実践度を聞くことで,難易度はⅠ~Ⅴの5段階に分類できた。難易度の低いものは比較的容易に分類できるが,難易度の高い項目は省エネ教育後に実践度が上がるものと上がらないものとに分かれていた。提案した難易度表に平成28年度の結果を合わせたところ,27年度同様に難易度の低いⅠ,Ⅱ,Ⅲの行動は教育により実践度は上がりやすく,難易度Ⅳ,Ⅴの行動は変容が難しく,難易度Ⅲまでの行動に比べると習慣と定着には至りにくいことが明らかとなった。提案した難易度評価は概ね汎用できるが,難易度Ⅳ及びⅤの判別と支援策については今後も検討していく必要がある。

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