主催: (一社)日本調理科学会
会議名: 平成29年度大会(一社)日本調理科学会
開催地: お茶の水女子大学
開催日: 2017/08/31 - 2017/09/01
【目的】近年の健康志向ニーズに対応して、原料となるカカオ豆の産地や精製糖以外の甘味料を個別に選択するチョコレート専門店が増えている。そこで、カカオ豆の産地の違いや添加する砂糖の種類の違いがチョコレートの風味や嗜好性にどのような影響を与えているのかを検討した。
【方法】ガーナ産、グレナダ産、インドネシア産の3種類のカカオ豆にそれぞれグラニュー糖と黒糖を添加して計6種類の試料を作成し、女子大学生34人を対象に官能評価を実施した。
【結果】三つの産地の中で、インドネシア産のカカオ豆で作成したチョコレートは甘味の付加効果が最も弱いと評価され、苦味を強く感じるとの結果であった。またグレナダ産やインドネシア産のカカオ豆で作成したチョコレートはグラニュー糖を添加したほうが、ガーナ産のカカオ豆で作成したチョコレートは黒糖を添加した場合のほうが甘味の付加効果が大きいと評価された。以上の結果から、チョコレートの風味がカカオ豆の産地によって異なることが確認され、また添加した砂糖の種類やカカオ豆の産地との組み合わせによっても甘味の付加効果は異なることが示され、これらが嗜好性に影響を与える可能性が示唆された。