日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成30年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 1P-64
会議情報

ポスター発表
漬物を使ったパン・スーツについて
*取替 恵佐藤 生一
著者情報
キーワード: 漬物, パン, お菓子
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
【目的】現在、日本人における漬物の摂取頻度の減少がみられる。本研究は、産学連携事業の一環として名古屋市西区にある(株)ほった様より漬物の提供を受け、漬物を使ったパン・洋菓子・和菓子のレシピを開発し、漬物離れしてる人々に再度関心を持ってもらうことを目的とした。
【方法】漬物との相性をみたが、和菓子が合うのではないかとの結論に至ったため、漬物とあんを組み合わせ、上用饅頭を試作し、味と見た目の官能評価を行った。上用饅頭のあんに使用した漬物は、しば漬け、守口漬け、梅干し、菊芋・ごぼうの八丁味噌漬けの4種類とした。対象者は、本学食物栄養学科栄養士専攻2年生36名、製菓専攻1年生25名・2年生25名、教職員16名とした。摂取頻度については自記式質問紙を用いて調査した。上用饅頭の味と見た目の官能評価については、良いと思った順に1位、2位、3位、4位と順位をつけ、各漬物の順位和を基に分析を行った。
【結果】漬物の摂取頻度は、「月1回程度」、「食べない」の割合が、教職員は37%であったのに対し、栄養士専攻2年生56%、製菓専攻1年生60%、製菓専攻2年生68%と全体の半分以上を占めていたことから、若年層の漬物離れがみられた。味の評価では、しば漬けは好まれる傾向がみられ、梅干しは好まれない傾向がみられた。しば漬けはあん以外にも合う食材があるのではないかと考えられる。見た目の評価では、しば漬けは製菓専攻2年生を除き、有意に好まれた。白色の上用饅頭に映える華やかな色の漬物が好まれることが推察される。今後は和菓子のみでなく、漬物の特長である味、風味、色を活かしたパンや洋菓子のレシピを考案し、漬物の摂取頻度増加に繋がると幸いである。
著者関連情報
© 2018 日本調理科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top