主催: (一社)日本調理科学会
会議名: 平成30年度大会(一社)日本調理科学会
開催地: 武庫川女子大学
開催日: 2018/08/30 - 2018/08/31
【目的】ショウガ(Zingiber offinale)抽出物を用いた豆乳ゲルの作成条件を検討することを目的とした。
【方法】これまでに幾種類かの豆乳を用いて豆乳ゲルを作成したが、豆乳の種類によってゲルの形成具合が大きく異なってい た。そこで最も良好なゲルを形成した篠崎屋(株)より購入した無調整濃厚豆乳を用いてゲルの作成条件を検討した。ショウガ汁を遠心分離した後ろ過し、L-アスコルビン酸とL-システインをそれぞれ0.2%と10mMになる様に添加した後に凍結乾燥粉末にしたものをショウガ抽出物(GE)とした。GEは、0.2%L-アスコルビン酸,10mM L-システイン水溶液に溶解して用いた。1%カゼイン溶液(pH7.0)500μLにGE溶解液10μLを添加し、60℃30分反応させた後に4.0Mのトリクロロ酢酸500μLを添加して室温で30分放置し、遠心分離して得られた上清の280 nm,光路10mmにおける吸光度上昇度が1となる濃度を1unitとし、直径48mmの円形容器に豆乳50gを入れ、GE溶液1mLを添加し、ゲルの硬さを評価指標とした。
【結果】ショウガプロテアーゼの至適温度である60℃,60分の条件では、3unitまではGE濃度が高くなると共にゲル強度が増したが、10unitではゲル強度は低下した。GE濃度3unit,60分の場合、70℃で最も硬いゲルが形成された。GE濃度3unit,60℃の場合、30分までに急速にゲル強度が増し、120分までは緩やかなゲル強度の増加が認められたが、120分と12時間との間に差は認められなかった。GE濃度3unit,60℃,60分の条件で豆乳を10%希釈した場合、ゲル強度は約15%低下した。