日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成30年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 2C-9
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口頭発表
エスプーマ調理法により調製した高齢者向け米粥におよぼす味噌の影響
*駒込 乃莉子小泉 晶子加藤 和子峯木 眞知子
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抄録

【目的】エスプーマ調理法による泡状食は、口当たりがよく口どけのいい料理が得られる。ドイツにおいては、この泡状食を高齢者食として取り入れている。しかし、日本における高齢者向けの泡状食に関する研究報告は少ない。我々は、エスプーマ調理法により調製した高齢者向けの米粥の泡の保持状態を検討している。予備実験の結果から、味噌の添加により米粥の離水を改善することが示唆された。配合する味噌の種類や割合により調製した米粥のテクスチャーや風味に変化がみられた。これらを踏まえ、エスプーマ調理法(アドバンスディスペンサー・エスプーマアドバンス充填器、東邦アセチレン株式会社)により調製した高齢者向け米粥に及ぼす味噌の影響を明らかにすることを目的とした。
【方法】味噌は仙台味噌、麦味噌、西京味噌、八丁味噌を用いた。米粥の試料配合は、飯30 g、スキムミルク6 g、水50 mL、植物性クリーム40 g、砂糖5 g、味噌4 gを基本にし、4試料を調製した。調製方法は、材料をミキサーで撹拌し、エスプーマ調理器を用いた。テクスチャー特性の測定は、消費者庁のえん下困難者用食品の測定条件に準じた。また、エスプーマ調理前後の試料を用いてオーバーランを測定した。調製した米粥は、放置時間2時間までの離水量を求めて泡の安定性を検討した。
【結果】みそを添加して調製した米粥は、放置1時間経過まで離水がみられなかった。このことから、調製した米粥の安定性が高い調理品が得られると判断される。オーバーランより、西京味噌を使用した試料が高く、最も気泡を多く含んでいた。いずれの米粥のテクスチャー結果は、えん下困難者用食品の許可基準を満たした。

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