主催: (一社)日本調理科学会
会議名: 2019年大会(一社)日本調理科学会
開催地: 中村学園大学
開催日: 2019/08/26 - 2019/08/27
【目的】近年,希少糖D−プシコース(以下psi)の優れた生理機能や調理特性が注目されている。psiは,抗酸化作用や食後血糖値上昇抑制作用などを有するノンカロリーシュガーであり,調理特性として保水性や保形性,柔軟性があるためゲル状食品に適しているのではないかと考えた。本研究は,寒天およびゼラチンゲルを作製し,ショ糖をpsiに置換した場合の物性や色差について調べ,psiがゼリー状ゲル食品に適するのか検討した。
【方法】寒天・ゼラチンゲルともに糖は15%配合し,ショ糖のみをコントロール(以下C),ショ糖をpsiに全置換したゲルを色差測定,テクスチャー測定を行った。さらに水を牛乳に全置換した寒天・ゼラチンゲルで同様の比較を行った。
【結果および考察】色差測定の結果から寒天ゲルではpsiのゲルは有意に黄みが強くなり,ゼラチンゲルではCで有意に黄みが強くなり,いずれも透明度は低くなる傾向がみられた。牛乳添加ゲルでも同様の結果であったが,有意差は認められなかった。テクスチャー測定の結果,寒天・ゼラチンゲルともにpsiのゲルの方が付着性が低く凝集性は高くなったことから,べたつかないまとまりやすいゲルになることが示唆された。よって,psiを用いたゲルは,嚥下機能の低下した高齢者に適したまとまりやすく飲み込みやすいゼリー状ゲルを形成することに期待ができる考えられた。