主催: (一社)日本調理科学会
会議名: 2019年大会(一社)日本調理科学会
開催地: 中村学園大学
開催日: 2019/08/26 - 2019/08/27
【目的】栄養士は栄養の指導に従事する事を業にするものと定められているが,実際は調理に携わることが多く調理技術,特に包丁技術の習得は必須である。ところが,栄養士養成課程の調査では学生の包丁技術は低下しているという報告がある(大学調理教育研究グループ,2012)。本研究においては,教育効果の高い指導法を検討することを目的とする。
【方法】対象者:Y短期大学食物栄養科1年在学中の「きゅうりの小口切り」技術に問題のある学生のうち研究に同意した者3名,独立変数:きゅうりの小口切りチェックリストによる指導法,従属変数:15項目の下位行動の遂行率ならびに「きゅうりの小口切り試験」における得点,実験デザイン:対象者間多層ベースライン法,ベースライン(BL)期:対象学生に制限時間20秒で,小口切りを切らせる。その間,教員は,包丁技術における15項目の下位行動のチェックリストをもとに,下位行動の遂行の可否をチェックする。同時に,20秒間で切ったきゅうりの枚数ならびに厚さをもとに,行動所産を得点化する。介入期:ベースラインデータが安定していることをグラフで確認した後,以下の介入を実施する。教員は下位行動のチェックリストに基づいて示範を行った後,対象者にきゅうりを切らせる。きゅうりを切っている間,教員はその様子を動画で撮影する。切り終わった後,ただちに撮影した動画を再生し,チェックリストと照合しながら,教員が各下位行動の正誤に関するフィードバックを行う。
【結果および考察】きゅうりの小口切りチェックリストによる試験得点の向上が見られた。