日本調理科学会大会研究発表要旨集
2019年度大会(一社)日本調理科学
セッションID: 2P-29
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ポスター発表
男爵薯とジャガイモシストセンチュウ抵抗性品種5品種の加熱調理ならびに貯蔵による食味のちがい
*後藤 昌弘岩田 惠美子
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抄録

【目的】ジャガイモシストセンチュウは各地に拡大しつつあるが薬剤による対策ができないため,抵抗品種の普及は急務である。しかし,これらの品種は認知度が少ないことや食味についての評価が十分でないことから普及が進んでいない。そこで非抵抗性品種の『男爵薯』と抵抗性品種5品種を用いて,官能検査により加熱調理法による食味のちがいを調べるとともに,ポテトサラダを調製して加工に適する品種を検討し,普及の一助とすることを試みた。

【方法】男爵薯とセンチュウ抵抗品種5品種(さやか,はるか,きたひめ,スノーマーチ,きたかむい)を北海道の産地から収穫直後と貯蔵6か月ジャガイモに入手し,ゆで,蒸し,焼き,揚げ,電子レンジにより加熱調理を行い,色,香り,口あたり,甘み,苦み,味,総合評価の項目について『男爵薯』を標準試料とする官能評価を両極2 点法で行った。また,これら6品種でポテトサラダを調製し,色,滑らかさ,甘み,味,総合評価の項目について同様の評点法と順位法で評価した。

【結果および考察】収穫直後の総合評価は,ゆで加熱では有意な差はなかった。揚げ加熱では『はるか』の評点が『きたひめ』より,他の加熱では『きたかむい』の評点が『きたひめ』や『さやか』より高かった。貯蔵6か月のゆで加熱でも品種間に有意な差はなく,蒸し,焼き加熱では『きたかむい』,揚げ加熱では『はるか』,電子レンジ加熱では『はるか』,『きたかむい』の評点が高かった。ポテトサラダの総合評価は,評点法では,収穫直後は『はるか』,貯蔵6か月は『スノーマーチ』,『きたかむい』が『男爵薯』より有意に評点が高かった。順位法では収穫直後では品種間に有意な差はなかったが,貯蔵6か月では『さやか』が有意に好まれた。

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