主催: (一社)日本調理科学会
会議名: 2019年大会(一社)日本調理科学会
開催地: 中村学園大学
開催日: 2019/08/26 - 2019/08/27
【目的】管理栄養士にとって献立作成能力は必須である。本大学では,1年次に3回の献立作成を実施している。そこで,1年生の献立作成の困難度や理解度を学生へのアンケート結果により分析し,今後の指導に活用することを目的とする。
【方法】1年生(25名)に対して3回(1回は班4人・2回は班2人・3回は個人)の献立作成後にアンケート(献立作成・食品構成・栄養価・発注書・進行表・価格・調理実習の7項目)を実施した。また教員の指導内容を集計し,学生の理解度を分析した。
【結果および考察】学生の困難点は,献立作成で「調味料の重複」13%「料理や調味料の分量」10%,食品構成で「必要なグラム数」60%「食材が入る項目」14%,栄養価で「塩分量」22%「エネルギー量」14%,調理実習で「進行表」18%「料理の色」14%である。また「困難点がない」と答えた学生は,発注書42%・進行表49%・価格37%と多く,学生にとって理解しやすい内容であると考えられる。また困難点が回数ごとに減少しているのは「調味料の重複」「食材が入る項目」「発注量」などで,単純な決まり事や計算方法が理解できるようになったと思われる。反面,困難点が回数ごとに増加しているのは「栄養価」「必要なグラム数」「料理や調味料の分量」「塩分量・エネルギー量」などで,献立作成人数が減るごとに,それぞれの学生の問題意識が向上したと思われる。また教員が学生に指導した内容は,学生のアンケート結果とほぼ同じである。献立作成能力の向上のためには,献立作成の基本的な資料をまとめたマニュアルの作成が必要であり,学生が困難であると回答した項目を記載することが効果的であると考えられる。