日本調理科学会大会研究発表要旨集
2019年度大会(一社)日本調理科学
セッションID: 2P-49
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ポスター発表
ごぼう茶の抗酸化活性
*片山 佳子小林 壮
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抄録

【目的】ごぼうには,ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸や食物繊維が含まれており,抗酸化作用,悪玉コレステロールの排出や血糖値上昇を抑制する働きがある。ごぼうは調理をする際に,えぐみや泥臭さをなくすために水にさらし,あく抜きをするのが一般的である。しかし,このあく抜きによって機能性成分である水溶性のポリフェノールやイヌリンが溶出し減少してしまう。そこで,あく抜き工程がなく製造されているごぼう茶に着目し,市販品3種のポリフェノール量の測定を行うとともに抗酸化活性測定を行い比較検討することを目的とした。

【方法】市販品のA社(国産),B社(国産),C社(中国産)のごぼう茶を20℃では120分間,沸騰させた熱水では5,20,40,60分間と抽出時間を変えてこれらを試料溶液とした。ポリフェノール量の測定はFolin-Ciocalteu法にて行った。抗酸化活性はラジカル消去能をDPPH法で測定した。またDPPHラジカル消去能はTrolox相当量として算出した。

【結果および考察】ポリフェノール量はA社,B社,C社の順に高かった。抗酸化活性は各試料とも20℃ と熱水とでは熱水抽出の方が高く,また抽出時間が長いほど高い活性を示し,A社がB社,C社よりも高い値を示した。そこで,ポリフェノール量と抗酸化活性の関係を見たところ,両者には高い正の相関関係が認められ,ごぼう茶の抗酸化活性はポリフェノール由来によるものであることが示唆された。また今回の結果からごぼう茶のポリフェノール量や抗酸化活性には,ごぼうの原産地や種類の違いによって差異があることが明らかとなった。

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