日本調理科学会大会研究発表要旨集
2019年度大会(一社)日本調理科学
セッションID: 2P-56
会議情報

ポスター発表
調理技術向上のための調理特訓の有用性
*上田 洋子加藤 美穂
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

【目的】栄養士養成校の学生にとって調理技術の習得は必要である。病院や施設等でより良いサービスを行うためには,限られた人数と時間の中で正確に美しく盛り付けることはとても重要な技術である。今回,継続的な訓練によって,どの程度の技術が身につくのか,また1ヶ月後に訓練効果は維持されているのかについて検討を行った。

【方法】対象者は食物栄養学科,栄養士専攻2年生女性7名であった。測定器はSartorius TE15025を使用した。測定には使用頻度の高い食材である人参を使用した。千切り(2mm×5cm以下)にした人参は生と5分間茹でたもの2種類とし,30gと80gの2種類の条件とした。練習効果の測定は初日,5日目,1ヶ月後の3回行った。

【結果および考察】練習効果の検討は,盛り付け規定量30gと80gからの盛り付け誤差を計算し,練習回数に応じて誤差を累積した。生・茹人参30gともに5日目と1ヵ月後では練習回数にともなって累積誤差が拡大した。生・茹人参80gともに初日の累積誤差は練習回数に応じて拡大した。生人参80gの5日目の累積誤差は練習回数にともなう変動はほとんどなく,累積誤差は10%強以内であった。すなわち練習効果が認められる結果を示したが,茹人参80gでは練習効果が認められず,累積誤差は最大200%を示した。この理由は定かではない。累積誤差の変化をみると30g,および80gともに累積誤差がプラス側に増大する人とマイナス側に増大する人の2通りの系統誤差パターンが認められた。この理由は(1)性格特性(2)作業へのこだわり(3)美的感覚(4)精神飽和などが考えられる。今後は人数を増やし,系統誤差の原因を検討する。

著者関連情報
© 2019 日本調理科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top