主催: (一社)日本調理科学会
会議名: 2021年大会(一社)日本調理科学会
開催地: 実践女子大学 日野キャンパス
開催日: 2021/09/07 - 2021/09/08
【目的】洋菓子の焼き菓子には、生地を作り終えてから焼く前に生地を一度休ませるものと休ませないものがある。また、レシピによって休ませるものと休ませないものもある。そこで休ませるレシピと休ませないレシピで食感や味に違いはあるか、また、同じレシピ間でも休ませた場合と休ませなかった場合で違いは出るのかを検討した。今回はマドレーヌを対象試料とした。
【方法】休ませるレシピ(レシピ①)と休ませないレシピ(レシピ②)を用いて4種類調製した(A:休ませるレシピ、B:休ませないレシピ、C:休ませるレシピを休ませない、D:休ませないレシピを休ませる)。また、短期大学生48名をパネルとして官能評価を行った。2点比較法を用いてAB間、AC間、BD間について評価させた。評価項目はしっとり感の強い方、風味が良い方、総合的に好ましい方の3項目とした。
【結果・考察】膨らみ方の違いについては、レシピ①は全体的に膨らみ、レシピ②は中心部のみ膨らんだ。Dの生地が一番膨らみが悪く、焼き上がりも生焼けの部分があった。官能評価の結果は、AB間ではAよりBの方が有意にしっとり感が強かった。AC間ではCよりAの方が有意にしっとり感が強く、総合的に好まれる結果となった。BD間ではすべての項目において有意差はみられなかった。休ませるレシピや休ませないレシピにはそれに適した配合があり、ベーキングパウダーの量やトレハロースと転化糖の有無などによっても焼き上がりに影響を及ぼすことが考えられる。また、休ませることによって、グルテンの力を弱めたり、生地の材料同士をなじませたりとさまざまな役割を果たしており、風味やしっとり感に関わってくることが示唆された。