日本調理科学会大会研究発表要旨集
2021年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: P-87
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ポスター発表
ランダム・セントロイド最適化法を用いたセルロース・グルコマンナン複合体ペースト配合クッキーの調理条件と嗜好性の検討
*大石 恭子後藤 昌弘岩田 恵美子吉村 眸畑 欣宏浅見 孝志西村 公雄
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抄録

【目的】セルロース・グルコマンナン複合体ペースト(セルロースペースト)の食品への利用の可能性を拡大する検討の一環として,セルロースペーストをクッキーに添加し,その嗜好性を調査した。また,その最適調理条件を決定するために,最小の実験回数で最適値の探索ができるランダム・セントロイド最適化法(RCO法)プログラムを用いた。

【方法】小麦粉は50gと一定にし,ランダム・セントロイド最適化プログラムに,「食塩不使用バター(9〜20g)」,「グラニュー糖(7〜15g)」,「全卵(1~4g)」,「セルロースペースト(12〜23g)」の重量範囲を条件として入力し,配合条件をランダムに設定させた。これらの配合条件でクッキーを調製し,官能検査を行い,総合評価を応答として入力し,プログラムによるマッピングから最適配合割合を探索した。なお,官能検査は,料理書数冊から定めた配合のクッキーを基準(標準)として「色」「香り」「甘味」「硬さ」「もろさ」「味」「総合評価」を評点法で評価した。また,日本食品標準成分表2020年版(八訂)に基づき栄養成分を算出し,試料間での比較をした。

【結果】RCO法による最適条件は,食塩不使用バター15.76g,グラニュー糖14.68g,全卵1.48g,セルロースペースト14.62gとなり,ペーストの割合は全重量に対して15%であった。さらに,このRCO法で求めた最適値の15%ペースト添加クッキーと標準試料を用いて,評点法により再度,官能検査を行ったところ,「色」,「総合評価」では15%ペースト添加クッキーが有意に好まれた。また,標準試料を100%として栄養成分を比較したところ,15%ペースト添加クッキーでは,食物繊維量が13%高く,脂質含量は13%低かった。

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