日本調理科学会大会研究発表要旨集
2021年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: P-88
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ポスター発表
漬物を使った洋菓子の開発
*取替 恵佐藤 生一
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抄録

【目的】本研究では、産学連携事業の一環として名古屋市西区にある(株)ほった様より、漬物の提供を受け、これまで和菓子、パンと漬物を組み合わせ、レシピ開発を行ってきた。今回は漬物を使った洋菓子レシピを開発し、漬物離れしている人々に再度関心を持ってもらうことを目的とした。

【方法】様々な洋菓子と漬物を組み合わせ、試作を行ったが、味や見た目を検討した結果、パウンドケーキ(プレーン)と漬物の相性が最も良いとの結論に至り、官能評価を行った。漬物は見栄えや食感等が好評であった、しば漬けとたくあんの2種を使用することとし、生地に対し15%加えた。官能評価は、本学学生105名、教職員13名を対象とした。漬物の摂取頻度、漬物とパウンドケーキの相性については、自記式質問紙を用いて調査した。パウンドケーキの味と見た目の官能評価は、2点嗜好試験法で分析を行った。

【結果・考察】全体の集計の結果、漬物の摂取頻度については、「ほぼ毎日」、「週に1回程度」を合わせると39%であり、漬物離れがみられるのではないかと推察される。味と見た目の評価については、どちらもたくあんが好まれる傾向にあった。食卓に馴染みの深い漬物であり、白い生地に黄色いたくあんを組み合わせることによって、見栄えが良くなるからではないかと考えられる。漬物とパウンドケーキの相性については、相性が良いとの回答で有意差が得られたことから、塩味と甘味の味覚の対比効果により、好まれる傾向にあったのではないかと推察される。これまで、和菓子、パン、洋菓子と漬物を組み合わせ、レシピ開発を行ってきたが、漬物と相性が良い食材を発見することができた。この研究が漬物の摂取頻度増加につながると幸いである。

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