日本調理科学会大会研究発表要旨集
2021年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 2B-11
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口頭発表
牛肉の等級とその調理法に関する嗜好性評価
*竹越 七海三嶌 太郎山崎 英恵伏木 亨
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抄録

【目的】牛肉における格付け評価は、脂肪交雑量が多いほど高く評価される。一方、格付け評価と嗜好性が必ずしも一致しないという報告も見られる。本研究では、等級の異なる牛肉を官能評価により比較・評価し、等級の低い牛肉のおいしさを引き出す調理法やその要因を解析した。

【方法】1.調理法の違いによる牛肉(2等級・5等級)の味わいを比較した。10〜60代の男女(湯通し30名、焼き18名)を対象とし、同一条件で調理した2等級と5等級の黒毛和牛ロースについて摂取し評価した。調理法は80 度5秒間湯通し、200度(表面40秒、裏面20秒)焼きの2種でそれぞれポン酢ジュレとともに供した。味わいの総合評価の指標として、Visual Analog Scale (VAS)を用いた。2.湯通しした牛肉のおいしさに関わる要因を解析した。10〜60代の男女86名を対象とし、80度5秒間湯通しした2等級と4等級の国産交雑種ロースをそれぞれポン酢ジュレとともに供した。評価指標として、VASおよびおいしさを構成する要素「報酬効果、食文化、情報」からなる15の質問票を用いた。解析では因子付加量の大きい質問項目について重回帰分析を行った。

【結果】1.VAS評価より、湯通しでは2等級が5等級を有意に上回り、焼きでは5等級が2等級を上回ったが有意な差は認められなかった。よって、80度5秒間の湯通しは等級の低い牛肉のおいしさを引き出す調理法であることが分かった。2.VASの平均値は2等級が4等級より有意に高くなった。重回帰分析の結果、2等級と4等級ともに報酬効果の要素が総合評価に有意に影響していた。一方、情報(高級感)の要素は4等級のみに有意な影響が検出された。以上より、味わいのみを考えると2等級の方が評価が高いことが示された。

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