日本調理科学会大会研究発表要旨集
2021年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: P-22
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ポスター発表
ジャガイモの加熱調理における物性変化と品質に及ぼす影響因子の探索
*鹿又 菜緒, 川口 毬, ラべ イヴァン, 酒井 昇, 福岡 美香
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抄録

【目的】ジャガイモを加熱調理するとテクスチャーが変化し、「ホクホク」という食感が現れる。この「ホクホク感」は、加熱イモの美味しさの指標と考えられるが、定量的な評価はなされていない。そこで本研究では、加熱調理を行った際にジャガイモ内部で生じる様々な変化をモデル化し、反応速度解析を行うとともに、品質に及ぼす影響因子を明らかにすることを目的とした。

【方法】ジャガイモ(男爵イモ)を1辺20㎜の立方体に切り出し、未加熱および蒸し器を用いた加熱時間の異なる試料を用意した。これらをナイフカッタープランジャーと力学試験機(レオメータ)を用いて半分に切断し、デジタルマイクロスコープで切断面の3D画像を取得した。画像中心部の凹凸の程度を粗滑度として算出した。さらに、加熱に伴う構造変化と水分の挙動を、顕微鏡観察、NMR測定により調べた。

【結果・考察】粗滑度は、未加熱試料で大きく、また、試料中心温度が90℃に到達後、加熱時間が長くなるにつれて大きくなるが、一定時間以上加熱すると小さくなるという挙動を示した。一連のジャガイモ加熱過程について、細胞内のデンプンの糊化・分散反応は90℃に到達するまでに完了していることが示された。さらに高温で生じるペクチンの2種類の分解、すなわち細胞間隙と細胞壁それぞれの分解反応の進行度を反映させた、ホクホク感を示す「ホク度」を定義し、ホク度の変化を粗滑度の変化と比較したところ、両者の挙動は一致した。さらに、顕微鏡観察、MRIによるT2緩和時間測定により、加熱に伴う細胞壁の損傷および澱粉の流出が確認されたことから、構築した数学モデルがある程度妥当であり、長時間の蒸し加熱におけるテクスチャーの変化を予測できる可能性が示された。

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