日本調理科学会大会研究発表要旨集
2021年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: P-42
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ポスター発表
長野県飯綱町産りんごの機能性を考慮した調理・加工方法の検討
*中澤 弥子小木曽 加奈
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キーワード: 飯綱町, りんご, 機能性
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抄録

目的長野県飯綱町は寒暖の差が大きいりんご栽培の適地で、日本有数のりんご産地として知られている。本研究では、飯綱町産のりんご7品種を対象として、りんごの機能性を考慮し保存性を高め、かつ加工方法が簡単で嗜好性を高める調理・加工方法について検討することを目的とした。

方法飯綱産の品種および熟度の異なる7品種9条件のりんごを対象とし、機能性成分であるプロシアニジン含有量を損なわないと考えられる加熱および乾燥方法(高温長時間の加熱や乾燥を避ける)で保存性を高め、かつ加工方法が簡単で嗜好性を高める方法としてセミドライ法を選択し、調理・加工条件の検討を行った。セミドライ法は、藤原氏の論文1)を参考とし、電子レンジ加熱条件、乾燥器による乾燥時間について検討した。一部の試料については、酸味、甘味、渋味、苦み、硬さ、総合的な好みなどについて官能評価を行った。被験者は健康で味覚に問題のない長野県立大学生有志30名を選抜した。

結果・考察 試料は皮をむいて芯を除きくし形に2~6等分し、電子レンジ加熱条件は600Wで120gに対し2~5分の連続および断続的な加熱時間を検討し、乾燥温度は70℃とし12~24時間の乾燥時間を検討した。その結果、パールおよびブラムリーは、電子レンジ加熱で、試料全体が加熱される前に煮くずれてしまって、セミドライ加工には不適であった。メイポールは2分、その他は5分間の電子レンジ加熱後、16または18時間の乾燥により加工品が得られた。酸味、甘味、硬さなどの官能評価の結果から加工品の特徴を明らかにし、利用方法の手がかりを得た。

 1)「市場ニーズにおよび果樹農業振興に対応する新たなゼミドライフルーツ」、調理食品と技術 第23巻第2号 p81-88(2017)

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