日本調理科学会大会研究発表要旨集
2021年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: P-53
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ポスター発表
模擬食塊の飲み込み易さに及ぼす油脂含有量の影響
*中川 裕子高橋 智子大越 ひろ
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抄録

【目的】加齢に伴い、咀嚼嚥下機能の低下により誤嚥を引き起こす可能性が高まる。また、飲み込みにくい食品として焼き芋やゆで卵の黄身、カステラが挙げられるが、経験的にお茶や牛乳などの飲料と共に摂取することで飲み込みやすくしている。本研究では、油脂量を調整した液体で模擬食塊を調製し、飲み込みやすさに及ぼす油脂含有量の影響を検討する事を目的とした。

【方法】試料は、乳脂肪3.5%の牛乳に粉末油脂を添加し、脂肪含有量を5%、10%に調製した牛乳、粉末油脂を加えていない3.5%牛乳、無脂肪牛乳4種の液体試料を用いた。カステラをミルサーで粉砕し、それぞれ重量比3:7で混合したものを模擬食塊試料とした。以下、「無脂肪」「3.5%」「5%」「10%」とする。測定は、牛乳の流動性特性、模擬食塊のテクスチャー特性、摩擦特性、顎二腹筋の嚥下筋活動の測定および官能評価を行った。

【結果・考察】ずり速度100sec-1における牛乳の粘度は、粉末油脂の添加量が増すほど高値を示した。模擬食塊のテクスチャー特性の硬さは「無脂肪」に比べ「10%」は有意に高値となった。凝集性と付着性は「無脂肪」に比べ「3.5%」「5%」「10%」が有意に高値を示した。嚥下筋活動は、有意差は認められなかったが、油脂量が高いほど筋活動量、筋活動時間ともに高い傾向であった。官能評価では、「10%」でべたつきが多く、飲み込みにくく、残留感が多いと評価された。

液体中の油脂含有量が増すと粘度が高くなるため、食塊の硬さや付着性に影響を及ぼすことが明らかとなった。また、食塊の油脂含有量が高すぎるとべたつき感が強く、飲み込む際の嚥下筋活動にも負担となることから、牛乳のような適度な粘度が飲み込みやすい食塊形成に有用であると考える。

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