日本調理科学会大会研究発表要旨集
2022年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: A-12
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口頭発表
圧力炊飯が玄米組織に及ぼす影響
*山本 康司露久保 美夏
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キーワード: 玄米, 圧力調理, 炊飯, 組織観察
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抄録

【目的】玄米の炊飯において、圧力の違いが炊き上がり後に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。

【方法】令和2年 新潟県魚沼産コシヒカリを試料とした。洗米後、米重量の1.5倍量の加水をし、浸漬を行った。加熱には、圧力鍋を用い、加圧条件は高圧炊飯では80kpaで12分間、超高圧炊飯は140kpaで6分間加圧した。比較対象として炊飯器を用いた普通炊飯も行った。測定には、炊飯後1時間放置したものを測定に使用した。測定項目は、米の吸水率、炊飯時の温度履歴、顕微鏡観察、飯粒の大きさ、胚乳露出率、飯の水分量、遊離糖量、物性(かたさ、付着性)とした。

【結果・考察】玄米飯の水分量は、圧力が高いものほど増加した。米粒の長径は、超高圧炊飯により他条件と比較して長くなった。胚乳露出率は、炊飯時の圧力の有無により異なる傾向がみられた。遊離糖量は、白飯、玄米飯ともに普通炊飯によってグルコース量は有意に増加した。超高圧炊飯により玄米のスクロース量は減少した。かたさは、飯粒表面において圧力炊飯は普通炊飯より有意に硬いことが示され、圧力炊飯間では高圧炊飯が有意に硬いことが示された。また飯粒全体では玄米飯は白飯より有意に硬く、玄米の炊飯方法による違いは見られなかった。付着性は、飯粒表面では普通炊飯と超高圧炊飯、飯粒全体では玄米飯全てが白飯に比べ有意に低いことが示された。圧力炊飯により、玄米飯粒全体の付着性が増加することが示された。玄米は圧力炊飯によって水分量が増加し、硬さは飯粒表面で増加、付着性は飯粒全体で増加することが示された。

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