日本調理科学会大会研究発表要旨集
2022年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: A-11
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口頭発表
炊飯後の短時間で生じる米飯の物理化学的変化と嗜好性との関係
*石橋 ちなみ, 中島 彩乃, 渡壁 奈央, 谷本 昌太, 杉山 寿美
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抄録

【目的】中食等の利用増加により,米飯においても炊飯直後(炊き立て)ではない,室温で短時間経過した米飯を食べる機会が増えている。一般に米飯の嗜好性の低下は,低温での保存に伴う澱粉の老化が要因と考えられているが,室温で短時間保存した影響は不明である。そこで本研究では,炊飯後の短時間で生じる米飯の物理化学的変化と嗜好性との関係を調べた。

【方法】試料は無洗米(ヒノヒカリ)に1.5倍量の蒸留水を加え,電気炊飯器で炊飯し,150gの円筒型に成型した。炊飯直後を0分とし,20℃,70℃で最大2時間保存した。以上の試料について,官能評価を行い,重量,体積を測定した。さらに,試料を水洗した洗液を米飯粒表面の糖成分の分析に用い,ヨウ素呈色比色法により400~700nmの吸光スペクトルの最大吸収波長(λmax)を求め,アミロース(AM)量の定量を行った。

【結果・考察】官能評価の結果,20℃保存は70℃保存と比べて有意に硬く,ほぐれにくく,好ましくないと評価された。重量は,保存により有意に減少し,70℃保存よりも20℃保存で減少量が大きかった。体積は,20℃保存で減少した一方,70℃保存では増加した。米飯粒表面の分析において,20℃保存,70℃保存いずれも炊飯直後と比べてλmaxは有意に低下した。また,米飯粒表面のAM量は保存により減少した。AMのλmaxは640~660nm,アミロペクチン(AP)のλmaxは530~570nmであることから,保存により米飯粒表面のAMが減少し,APの比率が増加したと推察された。以上より,20℃保存で硬く,ほぐれにくいと評価されたことは,重量および体積の減少に加えて,米飯粒表面のAPの比率が増加し,米飯粒どうしの粘りが強くなったことが要因と考えられた。

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