【目的】我が国のジュニアアスリートに関する報告は、身体計測値や体力測定値の変化や食事調査等量的な調査が多く、質的な調査報告が少ない。近年、TVや雑誌に加え、SNSの普及によりインターネット上に「スポーツと食」に関する様々な情報が飛び交っており、ジュニアアスリートにおいても、こうした情報を利用していることが想定される。しかし、彼らが誤った情報を鵜呑みにしたり、情報を理解しきれないことも懸念される。そこで本研究では、ジュニアアスリートの食に関する知識や疑問、情報の入手先等を知り、彼らに正しい知識を伝え、自ら適切な食の選択ができるようなサポート方法を検討することとした。
【方法】北海道立高校のラグビー部員21名を対象にまず集団栄養指導(講義)を実施し、指導前後にアンケートを実施した。その後メッセージアプリを用いた継続指導を行い、その間に実施したアンケートや対象者からの質問内容を質的に分析した。
【結果・考察】講義前後のアンケートにより、対象者が「朝食の代わりにBCAAサプリメントを摂る」「BCAAサプリメントは摂らなければならない」等、食に関する偏った知識を持っていることが明らかになった。こうした知識の入手先は、SNS、友人、親族等であった。また、学校で食事や栄養に関する授業を受けた経験を持つ者は少なかった。講義後5カ月間の継続指導により、対象者の食事に対する知識や行動に様々な変化が見られた。「食」に関する情報を簡単に入手できることは、ジュニアアスリートにとって利点である一方、懸念材料にもなり得る。指導者は、基礎知識のない彼らが、様々な情報を断片的に理解しそれを実行してしまう可能性があることに留意する必要がある