日本調理科学会大会研究発表要旨集
2022年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: P-96
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ポスター発表
栄養士養成課程学生の主体性を育む調理実習の試み
*秋吉 澄子木村 美穂
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抄録

【目的】本学科では2019(令和元)年度から2年次後期に「卒業セミナー」の授業を新設し、学生が各自希望する教員の下で様々な研究・調査を行っている。発表者が担当する研究室では、保育施設や学校など子どもと関わる職場への就職を希望する学生を対象に、主体的な調理実習を行っている。今回、その内容について報告する。

【方法】卒業セミナー全15回の授業のうち、第1回で研究テーマを決定、第2回から①計画:調理する料理の決定および発注、②調理、③評価を計3回繰り返し、終盤はレシピ集の作成に時間を充てている。2019年度は15名、2020年度は21名、2021年度は15名の学生が本研究室に所属し、調理実習を行った。

【結果・考察】学生が掲げたテーマは、①絵本やマンガ・アニメ、映画に登場するキャラクターや料理の再現、②キャラクターをモチーフにした料理作成、③世界の料理の再現、④アレルギーに対応したおやつ作り、⑤野菜を使った料理作り、⑥郷土料理の調理、⑦その他に大別された。⑤をテーマに選んだ学生は、同時に畑で野菜の栽培も行った。通常の調理実習は、教員側がテーマや献立を決めて行うことが多く、今回学生自身が主体的にテーマを決めて取り組むことで、普段の授業以上に積極的に意欲を持って楽しむ姿が見られた。学生自らが興味を持って調べる・学ぶという学習の原点に立ち返り、改めてアクティブ・ラーニング(能動的学習)の効果を実感した。学生からも「普段作らない料理が多く、貴重な経験ができた」「やりがいと達成感を味わうことができた」「就職後に役立つ内容で、楽しく充実していた」との感想が聞かれ、計画性や事前の確認、臨機応変な対応、調理技術の不足を課題に挙げる学生も見られた。

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