日本調理科学会大会研究発表要旨集
2022年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: P-98
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ポスター発表
阿波晩茶分離乳酸菌を用いたアーモンドミルクヨーグルトの調製と抗酸化作用
*岡崎 貴世小松 広奈森本 亮祐
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抄録

【目的】近年、乳アレルギー対応や菜食主義者向けに植物性ミルクの流通量が増加している。特にアーモンドミルク(Aミルク)は、食物繊維が豊富でビタミンEの抗酸化作用が期待されることから消費者に広く認知されている。そこで本研究では、Aミルクを原料とする新規発酵乳(ヨーグルト)の調製とその機能性を検討した。発酵用乳酸菌として、徳島県の阿波晩茶から分離した植物性乳酸菌Lactobacillus plantarum (プランタラム菌)を用いることとした。

【方法】9種類の市販Aミルク150mlにプランタラム菌懸濁液0.75mlを接種(初発菌濃度8.0×102CFU/Aミルクml)して30℃で培養を行い、ヨーグルトのpHと凝固状態を観察した。乳酸菌数はMRS寒天培地(BD社)を用いて30℃で3日間培養して測定した。自家製Aミルクの調整は、①生アーモンドを180〜190℃で10分または30分間焙煎、②加水して粉砕、③搾汁の手順で行った。自家製AミルクとAミルクヨーグルトの抗酸化作用はDPPH Antioxidant Assay KitとSOD Assay kit-WST((株)同仁化学研究所)を用いて測定した。

【結果・考察】試作ヨーグルトはpH4.4まで低下して凝固し、およそ109CFU/mlの乳酸菌が増殖し、調製後28日間の保存が可能であることが分かった。自家製AミルクヨーグルトもpH低下が認められたが凝固は見られず、調製したAミルクのタンパク質量が少ないことが影響したと考えられた。焙煎条件(時間)を変化させることでAミルクの抗酸化作用は上昇し、乳酸菌による発酵後もAミルクヨーグルトは抗酸化作用を維持していることが確認された。

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